「今、何時だ?」
搬送されて熱は高いものの意識はあった父。
部屋を移動する時、叔母に時間を聞いたそうです。
私も治療が済めば元気になっていくと思っていました。
もともと血圧が高く、貧血もあり、よく入院をする父。
今までの入院では点滴をするとよくなり、1週間ほどで退院するという流れでした。
3割の人は回復し、3割の方は…
父の病名は髄膜炎と胆管炎でした。
父は食事を取らず、アルコールの量が多いため、肝臓はぼろぼろで、治療に耐えられる体力もあまり残っていないということでした。
前日まであった意思もなくなり、けいれんもあるということでした。
主治医から、叔母に電話で
「助からない可能性がある」
と言われました。
いつか体調を崩すだろうと思っていましたが、突然のことに実感がありませんでした。
長生きするって言ったじゃん
面会の人数は限られているのですが、
特別に許可していただき、私も父に会いに行きました。
集中治療室に入るのは初めてで、どんなところか正直少し怖くもあり、意識のない父と対面することもまた怖かったです。
集中治療室に着くと、なぜか涙があふれてきました。
悲しかったのか不安だったのか…いろいろな感情が入り混じっていました。
父は人工呼吸をつけ、ベッドに横たわっていました。
目を見開き、全身で呼吸していました。
意識はなくても、気持ちは伝わるだろうと、
私はたくさん話かけてました。
父は一粒涙を流し、言葉に耳を傾けているようでした。
しかし、しばらくすると目を瞑りました。
話しかけすぎて疲れたかと思い、少し怖くもなり、退席しました。
帰り道、これから父がどうなるのか不安になりました。
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